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寄附金を支払ったときの税務上の取り扱い

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寄附金を支払ったときの税務上の取り扱い

2022/08/22

寄附金を支払ったときの税務上の取り扱い

皆さんは街頭や施設での募金活動を目にしたことはありませんか? 個人で募金に協力をしたことがある方もいると思います。今回は企業(法人)が寄附をした場合において、寄附金の税務上の取り扱いについて説明していきます。

そもそも寄付金とは?

寄附金とは法人税法37条7項より以下のように定められています。

寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与をした場合の金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は経済的な利益のその供与の時の価額をいう。ただし、広告宣伝費等、交際費、接待費及び福利厚生費とされるものは、寄附金に該当しない。

 

 

 

 

 

上記下線部より、例えば夏祭りや花火大会などに協賛金を支出して、企業名が広告に記載され、広告効果がある場合は広告宣伝費として処理されます。イベントなどの主催者が顧客や取引先である場合、その顧客や取引先との今後の取引の円滑化などを目的に支出した協賛金等は交際費になる可能性があります。

協賛金の支出や物品・サービスの提供などにより、企業名の掲示などの見返りを何も受けることが無い場合は、その支出の名目にかかわらず寄附金として処理することになると思われます。

企業は社会貢献を目的として、国や地方公共団体、その他の法人、政治団体などに寄附を行うことがあります。法人税法上、会社が支出した寄附金は全額損金になる場合寄附金の一部を損金に算入できる場合があります。

 

上記下線部より税務上、損金算入できる金額の限度額は以下の4つの種類に区分され算出します。

・指定寄附金等

・企業版ふるさと納税

・特定公益増進法人に対する寄附金

・一般の寄附金

 

それぞれの対象となる寄附先と損金算入限度額の算出方法について説明していきます。

寄付金の種類

◆ 指定寄付金等

国または地方公共団体に対する寄附金や指定寄附金は、全額損金算入されます。

国または地方公共団体に対する寄附金とは、国公立学校法人や図書館などを対象とした寄附のことです。震災などの義援金のうち、国や地方公共団体への直接の寄附も該当します。

指定寄附金とは、公益社団法人・公益財団法人その他公益を目的とする事業を行なう法人または団体に対する寄附金で、広く一般に募集され、かつ公益性・緊急性が高いものとして財務大臣が指定したものが該当します。申告においては、国や地方公共団体への寄附金を除き、財務省による告示番号を記載する必要があるため、事前に書類等の確認が必要です。

 指定寄附金の対象の一例として、財務大臣が指定した日本赤十字社の事業で毎年4月~9月の期間中に寄附をした場合。また、令和4年4月から災害救護設備の整備・物資の備蓄に関する寄付を募っています。(日本赤十字社の通年の事業全般に対する寄附については特定公益増進法人に対する寄付金となります。)赤い羽根共同募金では10月~3月の期間中に寄附をした場合などがあります。

◆ 企業版ふるさと納税

 

当事務所のブログ「企業版ふるさと納税とは何か?」にて解説していますので以下のリンクよりご確認ください。

企業版ふるさと納税とは何か?

◆ 特定公益増進法人に対する寄付金

 

公益法人等のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するもので一定のものに対するその特定公益増進法人の主たる目的である業務に関連する寄附金については、寄附金控除等の税制上の措置の対象とされています。

上記下線部の「一定のもの」とは以下の法人をいいます。

・ 独立行政法人

・ 地方独立行政法人(一定の業務を主たる目的とするもの)

・ 自動車安全運転センター

・ 公益社団法人及び公益財団法人    など

特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入限度額は以下の算式を用いて求めます。

損金算入限度額 = 資本金等の額×当期の月数12月×3.751,000+所得の金額×6.251,000 × 12

※注意点

・資本金等の額は資本金の額及び資本準備金の額の合計額又は出資金の額です。

・所得の金額は、支出した寄附金の額を損金に算入しないものとして計算します。

・特定公益増進法人等に対する寄附金のうち損金に算入されなかった金額は、一般の寄附金の額に含めます。

◆ 一般寄付金

 

指定寄附金等・特定公益増進法人に対する寄附金のいずれにも該当しないその他の寄附金は、一般の寄附金として処理します。企業法人や任意団体、NPO法人に対する寄附金はもちろんのこと、債権放棄や金銭の貸し付け利息も寄附金として処理されます。

一般の寄附金の損金算入限度額は以下の算式を用いて求めます。

損金算入するための手続き

指定寄附金等、特定公益増進法人に対する寄附金、一般の寄附金を損金算入するには、寄附金を支出した事業年度の確定申告書の別表十四(二)「寄附金の損金算入に関する明細書」に記載します。また、指定寄附金等、特定公益増進法人に対する寄附金は、それを証明する寄附金の受領証(領収書)の添付が必要となります。

まとめ

指定寄附金等などの公益的な寄附金は、社会にとって必要なものですので、損金とされる金額が大きく計算されることになっています。寄附をする法人のホームページを見ますと、指定寄附金等や特定公益増進法人に対する寄附金等に該当する場合には、原則としてその旨が記載されています。寄附金の支出をする場合には、あらかじめ確認をしましょう。

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