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空き家と相続 ~空き家を相続することになったらどうする?~

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空き家と相続
~空き家を相続することになったらどうする?~

空き家と相続 ~空き家を相続することになったらどうする?~

2023/01/23

人口減少・少子高齢化による空き家問題は、現在深刻な問題となっています。実家を相続したが他の場所で既に独立しており、そこに住む予定がないというケースはとても多いです。ここでは、空き家を相続することになった場合の注意点と対処方法について説明していきます

1 空き家問題

1-1 空き家の現状

国土交通省住宅局が実施した令和元年空き家所有者実態調査集計結果によると、空き家の取得経緯は約半数が「相続」です。そして、空き家を取得した際に登記の名義変更や新たに登記を行った割合は約8割という結果になっています。

賃貸・売却の場合の課題として「買い手・借り手の少なさ」「住宅の傷み」「設備や建具の古さ」が挙げられており、寄付・贈与の意向があるもののうち、一定の費用負担を伴っても寄付・贈与をしたい人の割合は約4割です。

(参考:国土交通省住宅局住宅政策課「令和元年空き家所有者実態調査 集計結果」)

1-2 空き家の放置

空き家を放置することのデメリットに、以下の点が挙げられます。

 

① 老朽化

一般的に、人が住まなくなった家はあっという間に老朽化が進むと言われています。それは、換気や掃除が行われない・修繕等のメンテナンスがされないためです。

 

② 資産価値の低下

適切な管理がされず老朽化がどんどん進むと、資産価値も大幅に下がってしまいます。

もし売却するとしても安い価格で売却するしかないかもしれませんし、修繕・解体するとしても巨額な費用が必要になります。

 

③ 近隣トラブル

近隣トラブルとして倒壊・犯罪のターゲット(不法侵入や放火)・害獣や害虫問題が考えられます。空き家がなんらかの危害をもたらした場合は、空き家の所有者が賠償責任を問われることになります。

 

④ 税金関連

空き家といえども固定資産税等の一定の税金は支払わなければなりません。特定空き家に指定されると税金の優遇も受けられらなくなり、通常の6倍の税金を支払うことになってしまいます。

2 空き家を相続したら

2-1 相続登記

空き家を相続したら、まずは法務局で相続登記を行いましょう。相続登記には期限はありませんが、権利関係が複雑になると手続きが進めにくくなってしまうため、できるだけ早く手続きをする方が良いです。

相続登記とは、相続した不動産の所有権(名義)を前の所有者から相続人に移転する手続きです。名義変更を行わなければ、売却などの取引はできません。

2-2 空き家の相続費用

空き家の相続には「相続税」「登録免許税」「固定資産税」などがあります。必ずしもこれらすべての費用を負担しなければならないわけではないですが、全く費用負担のない空き家の相続は存在しません。

不動産を相続した場合、居住する・しないに関わらず、すべて登録免許税を納めなければなりません。そして、空き家を放置していたとしても所有している限り、毎年固定資産税の納税義務があります。

3 小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、亡くなった人(以下:被相続人)が居住用や事業用に使っていた宅地を相続した場合に、一定の要件の下その宅地の相続税評価額が大幅に減額される特例です。

現在は空き家になっていても、被相続人が亡くなる直前まで住んでいた場合(要介護認定を受けて老人ホームに入っていた場合を含む)には、小規模宅地等の特例が使える可能性があります。小規模宅地等の特例は、その宅地を誰が相続したかによって、適用の可否が分かれます。

たとえば、配偶者が宅地を相続する場合は、常に小規模宅地等の特例を適用できます。一方、同居していなかった親族が相続する場合には、次のような条件があります。

 

・相続開始前3年以内に、自己または自己の配偶者、3親等以内の親族、特別の関係がある法人が所有する家屋に居住したことがない

・相続開始時に居住していた家屋を過去に所有していたことがない

・申告期限まで引き続き所有している

 

相続人の中に、小規模宅地等の特例が受けられる人がいる場合には、その人が空き家を相続することで相続税の負担を軽減できます。

3-1 譲渡所得の特別控除

相続した空き家を売却した場合、相続税のほかに、譲渡所得税がかかることがあります。譲渡所得税は不動産を売却して得た利益に対して課税される税金です。古い空き家の場合、土地が値上がりしていて、譲渡所得税が課税されるケースがあります。ただし、相続した空き家の売却については、要件をみたしていれば3,000万円の特別控除が受けられ、譲渡所得税の負担を軽減できます。

空き家の譲渡所得の3,000万円の特別控除が受けられる主な要件は、次のようなものです。

 

・昭和56年5月31日以前に建築された建物

・売却代金が1億円以下

・亡くなった人が一人で居住していた

・相続から売却までずっと空き家である

・耐震リフォームまたは取り壊しして売却

・親子や夫婦以外など特別な関係者以外への売却

 

 

空き家の譲渡所得の3,000万円の特別控除は2023年までの暫定的な特例で、2023年12月31日までに売却する必要があります。

特別控除の条件を満たしている場合には、売却についても早めに検討するのがおすすめです。

4 おわりに

相続はいつ起きるかわかりません。しかし、将来空き家を相続することになりそうだという場合には、先にどのようなリスクがあるのかを明確にしておくことが必要です。いずれにしても速やかな相続手続きが求められますので、相続でお困りのことがありましたら掛川総合会計事務所にお気軽にご相談ください。

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