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相続・生前贈与の大改正~2024年から何が変わる?新ルールを解説~

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相続・生前贈与の大改正
   ~2024年から何が変わる?新ルールを解説~

相続・生前贈与の大改正~2024年から何が変わる?新ルールを解説~

2023/03/06

2024年、相続と贈与のルールが65年振りに大改正されます。相続税対策の定番「暦年贈与」にメスが入り、新たな制限が加わります。ここでは、新しいルールと今後の節税対策について説明していきます。

1.暦年贈与

暦年贈与

1年間に贈与を受けた財産の合計額を基に贈与税を計算をすることを、暦年贈与といいます。毎年1月1日から12月31日までの一年間(暦年)に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下であった場合に贈与税がかからないという仕組みです。

暦年贈与の持ち戻し期間の延長

現行の暦年贈与では持ち戻し期間が「死亡前3年以内」ですが、2024年以降の贈与から「同7年以内」に延長されます。延長した4~7年前の贈与分は4年間で100万円の控除が設けられ、相続財産には加算しません。

新ルール適用

上記のルールが適用されるのは、2024年1月1日以降の贈与からです。改正前に行われた死亡前4~7年の贈与については、移行期間にあたり持ち戻しの対象外となります。つまり、2023年の1年間は「駆け込み贈与」が可能であり、ラストチャンスです。相続発生が2027年(4年後)以降になるのであれば、2023年の贈与分は持ち戻されません。

ここ数年はルール改正を見据えた生前贈与の動きが世間でも目立ってきていましたが、「改正内容が明らかになったことで、2023年の暦年贈与は一段と増えるだろう」(三菱UFJ信託銀行の玉置千裕氏)と言われています。

2.相続時精算課税

相続時精算課税

現行の相続時精算課税は、相続時精算課税選択届出書を税務署へ提出した贈与者と受贈者間の贈与財産が累計2,500万円になるまでは贈与税が非課税、2,500万円を超えた場合には超えた部分に対して一律20%の贈与税が課税されます。そして、この制度を活用した財産は、贈与時の相続税評価額で相続財産に持ち戻されます。また、暦年贈与との併用はできません。

基礎控除の新設

相続時精算課税を選択した場合、わずかな金額の贈与であっても必ず贈与税申告が必要になりますが、ルール改正によって相続時精算課税に年110万円の基礎控除が設けられ110万円以下の贈与であれば申告も不要となりました。そして、相続時の相続財産に加算対象外となります。

新ルール適用

上記のルールが適用されるのは、2024年1月1日以降の贈与からです。2024年以降の贈与は、毎年110万円を控除して、相続財産に加算されます。つまり、2024年中に贈与した金額が110万円以下であれば、翌年3月15日までに行う贈与税申告は不要になります。

3.今後の節税対策と今やること

2023年の贈与

前述したように、生前贈与の持ち戻し期間の延長は2024年1月1日以降の贈与からです。2023年12月31日までの贈与は現行通りの3年間の持ち戻しですので、配偶者や子供への贈与を考えている場合はこのラストチャンスを生かしたいところです。

相続人以外への贈与

生前贈与加算の適用は、被相続人から相続人に対しての贈与財産です。つまり、孫に対する贈与や、子の配偶者に対する贈与は生前贈与加算の対象とならず、これは期間延長以降も変わりません。そのため、相続人以外への生前贈与は今後も有効な相続税対策の一つと言えます。

利用制度の使い分け

使い分けとして一つ有力とされているのが、以下の合わせ技です。

 

    子   :相続時精算課税制度を利用して贈与

 孫や子の配偶者:暦年贈与

 

相続時精算課税が原則として60歳以上の父母または祖父母から、20歳(2022年4月1日以後の贈与については18歳)以上の子または孫に対し、財産を贈与した場合において選択できるのに対し、暦年贈与には相手との関係性や年齢等に制限がありません。

子への贈与は、相続時精算課税の「年110万円まで非課税」「非課税枠内の贈与は相続の直前まで有効であり相続財産に加算されない」というメリットを生かし、毎年110万円以内の贈与を長く続ける。孫や子の配偶者へは暦年贈与の年110万円の基礎控除を活用し、基礎控除内で効率的に資産を渡していくということです。

子の配偶者への贈与は孫への贈与と同様に年110万円の基礎控除が活用できる上に相続財産の圧縮を速められるメリットがあります。しかし、子の夫婦が円満であり離婚リスクが極めて低いことが大前提となることに注意が必要です。

4.おわりに

今回の法改正は65年振りとなり、今後の相続税対策は大きく変化していくと思われます。暦年贈与か相続時精算課税か、資産を渡す相手によって使い分けが必要になりそうですね。相続でお困りのことがありましたら掛川総合会計事務所にお気軽にご相談ください。

 

(参考 日経トレンディ3月号:生前贈与の新常識)

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