企業の信頼を担保する会計監査人と会計参与
2025/09/30
企業の財務情報の信頼性を担保する制度として、「会計監査人」と「会計参与」があります。どちらも会計の専門家が企業会計に関与する制度ですが、その役割や立場、導入目的には違いがあります。本記事では、両者の制度的背景や実務上の違いを比較しながら、企業がどのように使い分けるべきかを説明します。
目次
会計監査人は外部からの厳格なチェック機関
会計監査人は、主に大会社や株式公開会社に設置が義務付けられている制度で、財務諸表の適正性を第三者的な立場から監査する役割を担います。会計監査人になれるのは、公認会計士または監査法人に限られており、企業とは独立した外部機関です。
主な特徴
設置義務 : 株式公開会社、資本金5億円以上または負債200億円以上の会社などは会計監査人の設置義務があります。
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資格要素 |
公認会計士または監査法人 |
| 役割 |
財務諸表の監査、内部統制の評価 |
| 立場 | 企業外部の第三者 |
| 報告書 | 監査報告書を作成し、株主総会に出席 |
会計監査人の存在は、投資家や金融機関にとって企業の財務情報の信頼性を担保する重要な要素です。特に上場企業では、監査意見が株価や資金調達に直結するため、厳格な監査が求められます。会計監査人を設置した場合は商業登記簿に登記が必要で任期は原則1年で、再任についても登記が必要です。また、建設業者が会計監査人を設置し会計監査をした場合には建設工事の経営事項審査においては社会性(W)の点数で175点、総合評点(P)の点数で26点の加点がされます。主に大企業が選択する制度ですが、中小企業が会計監査人を設置し監査を受けることも可能です。企業の外部には時間を要します。これにより事業年度終了後2か月以内に法人税等の申告ができない場合には申告期限の延長の制度があります。
会計参与は企業内部からの会計支援機関
一方、会計参与は2006年の会社法改正により新設された制度で、企業の取締役と共同して財務諸表を作成する企業内部の機関です。税理士や公認会計士が就任でき、企業内部に入り込んで会計処理の正確性を確保する役割を果たします。
主な特徴
設置義務 : 原則任意。ただし、非公開会社で取締役会を設置し監査役がいない場合は設置義務あり
| 資格要件 | 税理士、公認会計士、税理士法人、監査法人 |
| 役割 | 財務諸表の共同作成、会計参与報告書の作成 |
| 立場 |
企業内部の役員 |
| 報告書 | 会計参与報告書を作成し、株主や債権者に開示 |
会計参与は、特に中小企業において財務諸表の信頼性を高めるための制度として注目されています。外部監査ほどのコストをかけずに、専門家の関与を得られる点がメリットです。会計参与を設置した場合は商業登記簿に登記が必要で任期は原則2年(非公開会社については10年以内まで延長可能)で、再任についても登記が必要です。建設業者が会計参与を設置し会計参与報告書を作成た場合には、建設工事の経営事項審査においては社会性(W)の点数で87点、総合評点(P)の点数で13点の加点がされます。
目的に応じた選択
企業がどちらを選択すべきか、規模・公開性・財務の透明性に対するニーズによって異なります。
上場企業や一定の大会社においては、法令により会計監査人の設置が義務づけられています。中小企業・非公開会社は会計参与の設置により、財務諸表の正確性と信頼性を担保。金融機関からの融資や取引先との信用向上にも寄与します。
特に中小企業では、顧問税理士法人や顧問税理士を会計参与として設置することで、コストを抑えつつ会計の専門性を取り入れることが可能です。
まとめ
会計監査人と会計参与は、いずれも企業の財務情報の信頼性を高めるための制度ですが、そのアプローチは大きく異なります。外部からの厳格な監査を求めるなら会計監査人、内部からの支援と共同作成を重視するなら会計参与が適しています。
企業の成長段階やステークホルダーとの関係性を踏まえ、適切な制度を選択することが、持続的な信頼と企業価値の向上につながります。
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