退職金の税金はいくらかかる?退職所得の計算方法をわかりやすく解説
2025/12/22
退職金を受け取る際に、「税金はいくらかかるのか」「確定申告は必要なのか」と疑問や不安を感じる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、退職金の基本的な仕組みから、退職所得と雑所得の違い、税金の計算方法、確定申告が必要となるケースまでを、具体例を交えてわかりやすく解説します。
目次
退職金とは
退職金とは、退職した労働者に対して支払われる金銭のことです。
日本では「退職手当」「退職慰労金」などと呼ばれることもあります。
退職金の受け取り方には、次の2種類があります。
・一時受取:一括で受け取る方法(退職所得)
・年金受取:分割で受け取る方法(雑所得)
どの方法で受け取るかによって、所得区分や税金の計算方法が大きく異なる点が重要です。
退職所得となる退職金(一時受取)
国税庁のホームページ「法第30条-1 退職手当等の範囲」では、退職手当等について次のように定義されています。
「退職手当等とは、本来退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいう。」
つまり、退職したことを理由として一時的に支払われる金銭が退職所得に該当します。
なお、通常の給与の中に含まれるなど、支給方法が通常の給与や賞与と同じ場合は、退職所得ではなく給与所得となるため注意が必要です。
退職所得に該当する主な例
国税庁「No.2725 退職所得となるもの」をもとに、代表的な例を挙げます。
・国民年金・厚生年金・農業者年金などを一時金で受け取ったもの
・退職金共済制度に基づき、退職により支給される一時金
・退職金規程の新設・改定に伴い、改定前の勤続期間に対して支払われる退職金
・従業員が役員に就任した際に、従業員分として支払われる退職金
・定年後も継続勤務する場合に、定年までの期間に対して支払われる退職金
・従業員が掛金を拠出し、退職時に会社から支払われる一時金
退職金を受け取った場合の確定申告
退職金を受け取るまでに、勤務先へ
「退職所得の受給に関する申告書」
を提出している場合、原則として確定申告は不要です。
ただし、次のような場合には確定申告が必要となります。
・医療費控除や寄附金控除などを受ける場合
・申告書を提出しておらず、退職金から一律20.42%(所得税+復興特別所得税)が源泉徴収されている場合
・上記以外でも、相続や贈与等確定申告をしなければならない年に退職金を受け取った場合には退職所得の申告が必要になります。
この場合、確定申告を行うことで税金が還付される可能性があります。
退職所得の計算方法
退職所得は、次の計算式で求めます。
(収入金額 − 退職所得控除額)× 1/2 = 退職所得
※収入金額は、源泉徴収前の金額です。
退職所得控除額
・勤続20年以下:40万円 × 勤続年数
・勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)
※勤続年数は1年未満切り上げ
計算例
・勤続年数:30年3か月
・退職金:2,000万円
退職所得控除額:800万円+70万円×11=1,570万円
退職所得:(2,000万円-1,570万円)×1/2=215万円
この215万円をもとに、所得税・住民税が計算されます。
退職金の年金受取との違い
退職金は一括で受け取れば「退職所得」として有利な税制が適用されますが、年金形式で分割受取にすると「雑所得」として課税されます。つまり、毎年の年金額が公的年金等控除の対象となり、他の所得と合算されて税率が決まる仕組みです。一括受取なら退職所得控除が大きく、税負担が軽くなるケースが多いですが、年金受取は長期的な生活資金の安定につながるメリットもあります。
税制上の違い
一括受取(退職所得)
・退職所得控除が適用される
・課税対象は「(退職金-退職所得控除)÷2」
・控除額が大きく、税負担が軽くなるケースが多い
年金受取(雑所得)
・毎年の受取額が「公的年金等控除」の対象
・他の所得と合算されて総合課税
・所得が多い人ほど税率が高くなる可能性あり
まとめ
退職金は、受け取り方によって次のように所得区分が異なります。
・一時受取:退職所得
・年金受取:雑所得
退職所得には大きな控除が設けられているため、税負担が軽くなるケースが多いのが特徴です。
一方、年金受取は毎年の所得状況によって税額が変わるため、慎重な検討が必要です。
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