最低限稼がないと損する金額 資本コストとは?
2026/01/13
どれだけ売上があっても、資本コストを下回る利益しか出せなければ会社は「損」をしているかもしれません。資本コストとは、投資に見合うリターンを示す“最低限のハードル”です。この記事では、その仕組みと計算の考え方をわかりやすく紹介します。
目次
資本コストとは?
資本コストとは、事業を行う上で調達した資本に支払うコストのことです。株で資金調達した場合では配当金、銀行などへの負債で資金調達した場合では利子のことです。
今年稼いだ利益が、この資本コストを超えていないと収支マイナスになってしまいます。
資本コストの計算方法
求める資本コストですが、主に全社的な資本コストである、加重平均資本コストを計算します。加重平均とは単純な平均とは違い、各項目の重さ(割合)を考慮して算出する平均値です。
式は以下の通りです。
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加重平均資本コスト =(負債総額/(負債総額+株主資本時価総額))×負債コスト×(1-税率)+ (株主資本時価総額/(負債総額+株主資本時価総額))×株主資本コスト |
要素を一つずつ解説していきます。
(負債総額/(負債総額+株主資本時価総額))
(株主資本時価総額/(負債総額+株主資本時価総額))
この部分は、調達してきた資金全額の内の負債が占める割合と、株主資本の時価が占める割合を出しています。
例を出してみます
・負債総額:6億円
・株主資本時価総額:2億円
上の条件で考えてみると、
6億/6億+2億
2億/6億+2億
になります。
続いて、「負債コスト」と「株主資本コスト」です。
前者は銀行等から借りている金額の利子です。これは費用になるため、利益が減ります。つまり、税金を減らす効果があるわけです。そのため、「負債コスト×(1-税率)」という計算をして、税引き後の金額にしています。
後者は配当金などの株主が期待しているリターンです。これは費用ではないため、「(1-税率)」の計算はいりません。税引き前も税引き後も金額は同じです。
例で計算してみます。
・負債総額:6億円
・株主資本時価総額:2億円
・銀行からの利子:7%
・株主への配当金:3%
・実行税額:23.2%
6億/8億×7%×(1-23.2%)+2億/8億×3%
=4.032%+0.75%
=4.782%
この例の場合では、資金調達した金額(8億円)の4.782%である38,256,000円の利益を得なければ収支マイナスになってしまいます。
加重平均資本コストは業界により平均が異なりますが全体から平均を取ると5%くらいになるようですから、この例は平均的ということになります。しかし、地方の中小企業だけで平均を出してみると10%近くになるデータもあります。
全体の平均と地方の中小企業の平均の差の開きの理由は、銀行や投資家から見て、大きな会社と比べるとリスクを抱えているとみられることが多いからです。逆に考えれば、長期にわたり、安定して収益を出すことができれば、リスクを心配されなくなっていくため、より安定した経営が出来るようになり、利益を多く出せるようになります。
まとめ
資本コストは、企業価値を高めるための「判断基準」となる重要な概念です。投資や事業拡大の意思決定において、利益の大きさだけでなく、その利益が資本コストを上回っているかを意識することで、より合理的で持続可能な経営が可能になります。難解に感じられがちですが、基本を押さえれば実務や投資判断に直結する考え方です。本記事が、資本コストを身近に捉え、日々の意思決定に活かすきっかけとなれば幸いです。
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