税理士法人掛川総合会計事務所

借上社宅のメリットと課税関係

お問い合わせはこちら

借上社宅のメリットと課税関係

借上社宅のメリットと課税関係

2026/02/09

 人材不足が深刻な昨今、従業員への福利厚生の充実で人材の獲得を目指す方法も検討されます。会社が社宅として物件を借上げ、役員や従業員へ貸し出す場合、一定の要件を満たせば、会社が負担する家賃は福利厚生費として会社の損金に算入でき、法人税の負担を軽減することができます。

 住宅手当として給与の一部を支払う場合は、受給者は給与所得として課税され、所得税や社会保険料の負担が増えてしまいます、しかし、一定の条件を満たす社宅制度であれば、給与所得者の所得税や社会保険料の軽減にもつながります。

 今回は、福利厚生と節税を兼ねた借上社宅制度におけるメリットと課税関係について説明します。

目次

    借上社宅とは

     借上社宅とは、企業が賃貸住宅を借上げ、役員や従業員へ社宅として貸し出す方法です。役員や従業員は自ら住居を探すことなく就業することができます。また、会社が家賃の一部を補助すれば、実質的に給与の増加と同じ効果をもたらし、また、会社にとっても家賃を損金算入できるなど、会社と従業員の双方にメリットのある仕組みです。さらに一定の要件を満たせば借上社宅の使用に伴って役員や従業員が得た経済的利益について所得税等は課税されないメリットもあります。

    役員に借上社宅を貸したとき

     役員に対して社宅を貸与する場合には、役員から1か月あたりの「賃貸料相当額」を受け取っていれば給与として課税されません。賃貸料相当額は小規模な住宅、又はそれ以外の住宅によって以下の通り規定されています。

    ⑴役員に小規模な住宅を貸した場合

     

     役員に貸す住宅が小規模な住宅[1]の場合は、次の①②③の合計額以上を役員から徴収する必要があります。

     

    ①その建物の固定資産税課税標準額の0.2%相当額

    ②12円 × 建物の床面性(㎡) ÷ 3.3

    ③その建物の敷地の固定資産税課税標準額の0.22%相当額

     

     一般的に上記の金額は借上社宅の賃料より少なくなるため、役員は安い賃料で社宅に居住でき、会社は役員から徴収する家賃と借上料の差額を損金算入することが出来ます。また社宅を使用する役員は、会社が家主に支払う賃料との差額に対し所得税等はされません。

     

    (2)役員に(1)以外の住宅を貸した場合

     

    役員に貸す住宅が小規模な住宅でない場合は、役員に貸す住宅が(1)以外である場合には以下①②のいずれか多い金額以上を役員から徴収する必要があります。

     

    ①(ア)(イ)の合計額の12分の1の金額

     (ア)その建物の固定資産税課税標準額の12%相当額

     (イ)その建物の敷地の固定資産税評価額の6%相当額

    会社が借上げた家賃の50%相当額

     

     これらの要件に該当する場合、会社は家賃を損金に算入でき、社宅を使用する役員は所得税等の課税はされず、会社は借上家賃と役員から徴収した家賃の差額を損金に算入できます。

     

    [1] 小規模な住宅とは例えば法定耐用年数が30年以下の建物では床面積が132㎡以下であるなど一定の定めがあります。

    従業員に借上社宅を貸したとき

    タイトル

    サブタイトル

     従業員に対して社宅を貸与する場合には、従業員から1か月あたりの「賃貸料相当額」の50%以上を受け取っていれば給与として課税されません。賃貸料相当額は次の①②③の合計額です。

     

    ①その建物の固定資産税課税標準額の0.2%相当額

    ②12円 × 建物の床面積(㎡) ÷ 3.3

    ③その建物の敷地の固定資産税課税標準額の0.22%相当額

     

     上記金額の合計額の50%以上の金額を、社宅を使用する従業員から徴収すれば、従業員は所得税の課税はされず、会社は借上家賃と従業員から徴収した家賃の差額を損金に算入できます。

    借上社宅制度を導入する場合の留意点

     賃貸料相当額の計算は借上社宅であっても、貸主から固定資産税の課税標準などを確認することが必要になります。また、上記の要件を満たす社宅であればどんな社宅であっても上記の適用が受けられるということではありません。豪華社宅と判定される場合はこれらの適用はないため注意が必要です。豪華社宅であるかは社会通念に照らし総合的に判断されます。国税庁HPでは、床面積が240㎡超の住宅の内、社宅にプールがついている場合や趣味や嗜好が著しく反映されている社宅は豪華社宅に該当する旨が示されています。この場合、豪華社宅の場合の1か月あたりの賃料相当額は、会社が借上げた賃料と同額とされます。

     また、従業員の社宅については借上料の全てを従業員から徴収し、役員の社宅については借上料の一部の徴収にとどめるなどといった極端な取扱いの差がある場合はその取扱いが否認される可能性は高いと言えます。従業員の社宅と役員の社宅に関して社内の立場による取扱いに差を設ける場合はそれが合理的な理由であることが必要になります。そのためにも、借上社宅制度を導入するためには会社の社宅規程を整備しそのルールに基づいて物件の選定や使用方法、入居条件、会社と従業員等双方の負担額を合理的に定める必要があります。

    監修 石川勝也税理士

    東海税理士会掛川支部所属/税理士登録2004年(平成16年)/税理士登録番号 99199/大学卒業後、会計事務所に入社し税理士を目指す。/税理士試験合格科目:簿記論、財務諸表論、法人税、消費税、相続税/2005年独立開業/2009年税理士法人掛川総合会計事務所を設立/2023年代表社員に就任。 

    ----------------------------------------------------------------------
    税理士法人掛川総合会計事務所
    436-0022
    静岡県掛川市上張202
    電話番号 : 0537-24-4607
     

    御前崎支店
    437-1612
    静岡県御前崎市池新田3946-8
    電話番号 : 0537-86-9788


    掛川市で税務会計を総合的に支援

    ----------------------------------------------------------------------

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。