接待交際費の知識を深めれば損金が増える?!
2023/05/08
接待交際費は取引先との関係維持や取引先の開拓に使われる費用であるため、多くの企業では経費として会計帳簿に度々登場しているのではないでしょうか。今回は接待交際費について説明していきます。
1. 接待交際費とは
接待交際費とは取引先などの事業に係る人に対して接待や謝礼などをするときに支払った費用のことです。また、取引先へのお中元やお歳暮といった贈答品やゴルフ代も接待交際費として扱うことが一般的です。あくまで事業に必要な支出が接待交際費となります。接待交際費は国税庁によると次のように定義しています。
交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するものをいいます。 |
2. 交際費等の範囲から除かれるもの
以下の①から⑤の費用については交際費等の範囲から除かれます。
① 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用 ② 飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます。)のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用 ③ カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用 ④ 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用 ⑤ 新聞、雑誌等の出版物または放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、または放送のための取材に通常要する費用 |
※②の費用を、交際費等から除外するためには次の項目を記載した書類の保存をすることが要件になります。
▪飲食等のあった年月日
▪飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
▪飲食等に参加した者の数
▪その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地
(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名または名称、住所等)
▪その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項
また、交際費等と混同しやすい費用に「会議費」と「福利厚生費」があります。上記項目を踏まえた上で説明します。
会議費
会議費とは、会社の経営に関して行われるミーティングや打合せなどに必要な費用です。上記の交際費等から除かれる項目の内、④は会議に関連した茶菓や弁当、飲食物に要する費用ということなので会議費に該当します。また、②について枠外※の要件を満たしている場合、こちらも会議費として処理します。会議費に該当する場合は全額損金算入することができます。
福利厚生費
福利厚生費とは、企業が給与以外で従業員のために支出する費用のことです。
(措通61の4(1)-22)に社内の行事に際して支出される金額等で次のようなものは交際費等に含まれないものとして規定されています。
⑴ 創立記念日、国民祝日、新社屋落成式等に際し従業員等におおむね一律に社内において供与される通常の飲食に要する費用
⑵ 従業員等(従業員等であった者を含む。)又はその親族等の慶弔、禍福に際し一定の基準に従って支給される金品に要する費用
3. 交際費等の損金算入限度額
接待交際費は会計上では費用として扱いますが、税務上では原則として全額損金不算入とされています。しかし、期末の資本金額または出資金額に応じて一定金額まで損金算入ができるようになります。
▮ 資本金(出資金)1億円以下の法人の場合
以下のいずれか多い方を選択適用することができます。
▪ 年間800万円まで損金算入
▪ 接待交際費の内、飲食費の50%まで損金算入
▮ 資本金(出資金)1億円超~100億円未満の法人の場合
▪ 接待交際費の内、飲食代の50%まで損金算入
▮ 資本金(出資金)100億円超の法人の場合
▪ 全額損金不算入
※接待飲食費は、「交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く。)であって、帳簿書類により飲食費であることが明らかにされているもの」のことです。
4. まとめ
今回は接待交際費について説明させていただきました。書類の保存の仕方ひとつで損金にすることもできるので知識を深めていってはいかがでしょうか。何かお困りごとがありましたら掛川総合会計事務所のスタッフが専門的な立場からアドバイスさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
(参考:国税庁|No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算)
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