税理士法人掛川総合会計事務所

親子間の贈与で気をつけたい贈与税課税及び税務調査のリスク

お問い合わせはこちら

親子間の贈与で気をつけたい
贈与税課税及び税務調査のリスク

親子間の贈与で気をつけたい贈与税課税及び税務調査のリスク

2025/01/20

 親子間の贈与は、資産を次世代に移転するための一般的な手段ですが、一方で税務調査のリスクを伴います。節税目的で意図的に贈与を行っている場合特に注意が必要です。この記事では、特に親子間の贈与における税務調査のリスクとその対策について解説します。

 

目次

    贈与税の基本

    贈与税は、個人が他の個人に財産を無償で贈与した場合に、受贈者(もらった側)に課される税金です。通常の暦年贈与である場合、110万円の基礎控除があり一年間に受け取った財産の合計が110万円までの贈与については非課税ですが、これを超えると贈与税が発生します。親族間での贈与もこのルールに従います。

     

    贈与税の申告漏れとペナルティ

     贈与税の申告を怠っていた場合、税務署からの調査で発覚する可能性があります。申告漏れが発覚した場合、通常の贈与税に加えて、ペナルティとして追加の税金が課されることがあります。具体的には、無申告加算税や延滞税が課されることがあり、これにより本来の税額よりも負担が大きくなることがあります。

    税務署が贈与を注視する理由

     税務署が親子間の贈与に注目する一番の理由は、不適切な贈与による相続税の回避を防ぐためです。財産に関する課税が相続税だけであったとすると、人が亡くなる前に財産を家族や他人に贈与して、相続税を逃れることができてしまいます。そのため、贈与税は相続税の補完税として1947年(昭和22年)から生前贈与による相続税回避の防止を目的として創設されています。

    贈与税の課税リスク及び税務調査のきっかけ

     以下のようなケースは注意が必要です。

     

     

    ① 相続税申告時に贈与の履歴が明らかになる場合

     

     相続税の申告時に過去の贈与履歴をチェックされることがあります。生前贈与は、相続税対策として利用されることが多いのですが、税務調査のリスクも伴います。特に、現金での贈与は、贈与の事実を証明する書類がないため、後にトラブルになることがあります。

     

     

    ② 家族間の資産移転が明らかに不自然な場合

     

     短期間で多額の資産が移転されている場合や、家族間での不動産名義変更、未成年者名義で多額の資金が運用されている場合などが該当します。特に銀行口座での大きな入出金履歴がある場合、税務署はその資金の出所を調査します。この場合、受贈者の所得状況やライフスタイルに合わない大きな額の入金があると、不審に思われる可能性があります。無償での不動産名義変更も贈与に該当します。

     

     

    ③ 不動産を共有名義で取得する際、登記された持分割合が不合理である場合

     

     不動産を共有名義で取得する際、資金を拠出した割合に応じた持分登記がされていない場合、過大な持分を取得した方に贈与税が課税されるリスクがあります。

     

     

    ④ 住宅ローンの負担者と名義人に相違が生じる場合

     

     住宅ローンの契約や借り換えの際、実際の負担者と名義人に相違がある場合、経済的利益を受けた方に贈与税の課税リスクがあります。同居する親名義のローンを子が返済する場合、またその逆の場合も注意が必要です。

     

    贈与税の課税リスクを減らすための対策

     以下のような対策を講じることで、課税リスクを抑えることができます。

     

     

    ① 贈与契約書の作成及び贈与税申告

     

     親子間で贈与を行う際には、贈与契約書を作成しましょう。贈与契約書には具体的な金額や資産の詳細を明記し、双方が署名・捺印することで信頼性が高まります。加えて贈与税申告を行うこと、たとえ基礎控除110万の以下の贈与である場合でも贈与税申告を行うことで、贈与履歴を税務署に提示でき、不要なリスクを回避できます。

     

     

    ② 資金の使途を明確にする

     

     贈与を受けた資金が実際にどのように使われたのかを明確にしておくことが重要です。たとえば、住宅購入や教育資金に使った場合、その領収書や契約書を保管しておくと良いでしょう。また、資金の使用目的を明確にすることで、贈与が実質的であることを示す証拠となります。

     

     

    ③ 名義預金を避ける

     

     子どもや孫名義の預金口座を開設する場合でも、贈与契約をしっかりと結び、資金が実際に子どものために使われるようにしましょう。特に、受贈者が未成年等で実際の口座の管理権限が親に残ったままでは名義預金と見なされるリスクが高まり、贈与の否認や、孫へ贈与したつもりがその管理者である親への贈与とみなされることがあります。

    おわりに

     親子間の贈与は、資産を次世代に移転するための有効な手段ですが、生前贈与は節税目的で行われることも多く税務調査のリスクを伴います。不要な課税や調査を避けるためにはリスクを理解し、税務申告や契約書の作成等適切な対策を講じることが重要です。お悩みの方は、お気軽にご相談ください。掛川総合会計事務所のスタッフが専門的な立場からアドバイスさせていただきます。

    監修 石川勝也税理士

    東海税理士会掛川支部所属/税理士登録2004年(平成16年)/税理士登録番号 99199/大学卒業後、会計事務所に入社し税理士を目指す。/税理士試験合格科目:簿記論、財務諸表論、法人税、消費税、相続税/2005年独立開業/2009年税理士法人掛川総合会計事務所を設立/2023年代表社員に就任。 

    ----------------------------------------------------------------------
    税理士法人掛川総合会計事務所
    436-0022
    静岡県掛川市上張202
    電話番号 : 0537-24-4607
     

    御前崎支店
    437-1612
    静岡県御前崎市池新田3946-8
    電話番号 : 0537-86-9788


    掛川市の税理士法人掛川総合会計事務所

    掛川市で税務会計を総合的に支援

    掛川市で相続の手続きをお手伝い

    ----------------------------------------------------------------------

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。