税理士法人掛川総合会計事務所

ガソリンなどの二重課税されているものの取り扱い

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ガソリンなどの
二重課税されているものの取り扱い

ガソリンなどの二重課税されているものの取り扱い

2025/01/27

 ガソリンやお酒、たばこなどが二重課税されていることはご存じでしょうか。今回は、ガソリンやお酒など二重課税されているものを紹介するとともに、どのような会計処理が適切なのかを説明したいと思います。

目次

    ガソリンなどにおける二重課税とは

     そもそも二重課税がどういう状態なのかというと、「ひとつの課税原因に対して同種の租税が二回以上課される状態」を言います。

     例えば、相続財産を売った場合、相続した際に相続税がかかり、確定申告時に所得税もかかります。この場合は、異種の租税が課されているので二重課税ではありません。

    一方で、お酒を買うとき、仮に本体価格が200円、酒税率5%、消費税10%となっている場合、二重課税に該当します。

      本体価格     酒税(※個別消費税)       消費税        支払金額

       200円  +   10円(200円×5%)  +  21円(210円×10%)  = 231円

        ※特定のモノやサービスにのみ課されるのが「個別消費税」と呼ばれるものです。

         私たちが普段支払っている10%や8%の消費税を「一般消費税」と呼びます。

     

     つまり、お酒本体とは別に消費税が二つ課されているため、二重課税されているといえます。

    ガソリンなどにおける二重課税されているのものの種類

    我々の身近にあるもので二重課税されているものをまとめてみました。

     

     ・お酒           嗜好品としての性格に着目して、酒税と消費税が課されていますが、お酒の  種類ごとの生産・消費の状況等を踏まえた税負担を求めるため、その製造方法や性状等によりそれぞれ異なる酒税率が定められている。

     

     ・たばこ         嗜好品としての性格に着目して、たばこ税と消費税が課されている。

     

     ・ガソリン    1リットル当たりの販売価格のうち半分近くが税金で構成されており、揮発油税・石油税・消費税が課されている。

     

     ・軽油    ガソリンとは異なり、軽油引取税・石油税・消費税が課されている。

     

     ・ゴルフ場利用 ゴルフ場利用税と消費税が課される。ゴルフ場利用税はほかの税金と少し違い、都道府県税で、ゴルフ場の規模や整備状況により税率が異なる。また、一定の条件を満たせばゴルフ場利用税が非課税となるケースもある。

     

     ・温泉    入湯税と消費税が課される。法律上は、入湯税1人1日150円を標準としているが、市町村により税額が異なり、また、宿泊か否かで税額が異なることもある。

     

     ・宿泊    宿泊税と消費税が課されている。東京都など一部の地方自治体ではホテルや旅館に泊まった際に、宿泊税を課すところもある。地方自治体独自の税金。

     

     今回挙げた例は一部ですが、このように様々なものに個別消費税が課されていることがわかります。

    3. ガソリンなどにおける二重課税についてこれらの経理方法

     例に挙げたもののうち個別消費税を別々に仕訳できるものとできないものがあり、これは納税義務者が利用者側かメーカー側かによる違いです。

    また、別々に仕訳できるものにも一定の条件があります。「個別消費税額に相当する金額を請求書や領収証等で明らかになっており、預り金または立替金等の科目で経理するなど明確に区分している」場合に個別消費税を別に処理することができます。(預り金ではなく、売上高や租税公課で処理することもでき、消費税法上は不課税取引となります。)

     

     では、販売者側と利用者側に分けて、ガソリンと軽油を例に仕訳の仕方を説明していきます。(わかりやすくするため、実際の金額とは異なる金額で説明します。)

    ◆ 前提条件

     ガソリン:本体価格50円/L、揮発油税40円/L、石油税10円/L

     軽油  :本体価格60円/L、軽油引取税30円/L、石油税10円/L

     1Lで取引を行うとし、消費税10%は省略します。

     

    販売者側の取り扱い

     ガソリンの場合、課税されている個別消費税は揮発油税と石油税です。この税金の納税義務者はメーカー側なので、別々に処理することはできず、次のような仕訳となります。

     

               現金  100円  /  売上高                 100円

     

     軽油の場合、課税されている個別消費税は軽油引取税と石油税です。軽油引取税のみ、納税義務者は利用者側なので、上記の条件を満たせば次のような仕訳となります。

     

               現金       100円  /  売上高                   70円

                         /  預り金や売上高等  30円

    利用者側の取り扱い

     考え方は、販売者側と利用者側で違いはないので、似たような処理になります。

     ガソリンの場合、課されている個別消費税の納税義務者はメーカー側なので次のような仕訳になります。

              消耗品費等        100円  /  現金  100円

     

     軽油の場合、軽油引取税だけは利用者側に納税義務が発生するので次のような仕訳となります。

     

              消耗品費等   70円  /  現金  100円

              租税公課    30円  /

    まとめ

     今回は個別消費税の取り扱いについて簡単に説明してきましたが、販売者側も利用者側も考え方は同じです。各個別消費税の納税義務が販売者側にあるのか、若しくはメーカー側にあるのか、または利用者側にあるのかの区別と、明細等に個別消費税を分けて記載されているか、いないのかという点に注意すれば正確に経理処理することができると思います。

     

     お困りごとがございましたら掛川総合会計事務所のスタッフが専門的な立場からアドバイスさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

    監修 石川勝也税理士

    東海税理士会掛川支部所属/税理士登録2004年(平成16年)/税理士登録番号 99199/大学卒業後、会計事務所に入社し税理士を目指す。/税理士試験合格科目:簿記論、財務諸表論、法人税、消費税、相続税/2005年独立開業/2009年税理士法人掛川総合会計事務所を設立/2023年代表社員に就任。 

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