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結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について

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結婚・子育て資金の一括贈与を
受けた場合の贈与税の非課税措置について

結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について

2025/04/14

はじめに

子や孫へのまとまった資金援助を検討する際、どうしても贈与税のことが気にかかります。今回の記事では、直系尊属(親や祖父母)から子や孫に対する「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」について解説いたします。制度の概要から実務上の注意点まで詳しくご説明します。

目次

    贈与税の非課税措置制度の概要

     「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は、18歳以上50歳未満の子や孫が、親や祖父母から結婚・子育て資金として一括贈与を受けた場合に、最大1,000万円まで贈与税が非課税となる制度です。このうち結婚関連費用については300万円が上限となります。

     当初、この制度は平成27年4月1日から令和元年3月31日までの予定でしたが、その後数回にわたり適用期限が延長され、令和7年3月31日までとなっておりました。今回の令和7年度税制改正において、適用期限がさらに2年間延長され、令和9年(2027年)3月31日までとなりました。これにより、令和9年3月31日までに行われる贈与について、この非課税措置を利用することができます。

    贈与税の非課税制度を利用するための要件

    1. 贈与者と受贈者の要件

    • 贈与者:直系尊属(父母、祖父母など)
    • 受贈者:18歳以上50歳未満の者(贈与を受ける年の前年の合計所得金額が1,000万円以下の者に限る)

     

    2. 金融機関との契約

    この制度を利用するためには、金融機関との間で「結婚・子育て資金管理契約」を締結し、専用の口座を開設する必要があります。具体的には以下のいずれかの方法で手続きを行います。

    ①信託銀行との信託契約に基づき、信託受益権を受贈する

    ②銀行等に贈与を受けた金銭を預け入れる

    ③証券会社で贈与を受けた金銭により有価証券を購入する

     

    3. 非課税申告書の提出

    結婚・子育て資金非課税申告書を、金融機関を通じて受贈者の住所地を所轄する税務署長に提出します。これにより、一定の金額までの贈与について贈与税が非課税となります。

     

    4. 非課税対象となる費用の範囲

    この制度で非課税となる費用は大きく「結婚関連費用」と「子育て関連費用」に分けられます。

     

    結婚関連費用(上限300万円)

    ①婚礼費用

       ・挙式や結婚披露宴の費用(会場費、衣装代、引き出物代など)

    入籍日の1年前の日以降に支払われたものに限る

    ②住居費用

       ・結婚を機に賃借する住居の費用(賃料、敷金、礼金、仲介手数料など)

    賃貸借契約日から3年以内の分で、かつ契約日が入籍日の前後1年以内で
    あることが条件

    ③引越費用

       ・結婚を機に転居する際の引越費用

    転居日が入籍日の前後1年以内の転居に関するもの

     

    子育て関連費用

    ①妊娠・出産関連

      ・不妊治療費

      ・妊婦健診費用

      ・出産費用(分娩費、入院費など)

      ・産後ケア費用

    ②子どもの医療・育児費用

      ・子どもの医療費(小学校就学前までの支払い分)

      ・保育所・幼稚園費用

      ・ベビーシッター代

      ・その他育児に必要な費用

     

    非課税対象とならない費用

    すべての結婚・子育て関連費用が非課税になるわけではありません。以下のような費用は非課税対象外です。

     

       ・結納式費用

       ・婚約指輪・結婚指輪の購入費

       ・新婚旅行費用

       ・エステ代

       ・家具・家電の購入費

       ・駐車場代、光熱費

       ・処方箋に基づかない医薬品代

       ・治療のための交通費・宿泊費

    贈与税非課税制度の実務上の注意点

    領収書等の提出と管理

     結婚・子育て資金口座から資金を引き出して支払いを行った場合、その領収書等を金融機関に提出する必要があります。領収書等の提出期限は、資金の引き出し方法によって異なりますが、一般的には支払年の翌年3月15日までとなっています。

    領収書等が適切に提出されない場合、その支出は非課税対象と認められず、贈与税の課税対象となる可能性があります。

    契約終了時の取扱い

     結婚・子育て資金管理契約は、以下のいずれかの事由に該当する場合に終了します。

       ・受贈者が50歳に達した場合

       ・受贈者が死亡した場合

       ・口座残高がゼロになり、当事者が契約終了に合意した場合

    契約終了時に口座に残高がある場合(受贈者死亡の場合を除く)、その残高は贈与税の課税対象となります。

    贈与者死亡時の取扱い

     制度の適用中に贈与者が死亡した場合、管理残額(贈与された金額から結婚・子育て資金として使用した金額を差し引いた残額)は受贈者が相続により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。

    特に注意すべき点として、受贈者が贈与者の子以外(孫など)である場合、管理残額については、相続税の2割加算の対象となる可能性があります。

    おわりに

     「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は、この制度を活用することで、子や孫の結婚・子育てを資金面で支援しながら、贈与税の負担を軽減することができ、ひいては将来の相続税負担を軽減するための生前贈与の一環として活用することができます。ただし、適用条件や手続きが複雑なため、制度を最大限に活用するためには、事前に専門家への相談をおすすめします。また、制度の適用期限が延長されたとはいえ、「こども未来戦略」の集中取組期間が終了する令和8年度以降の動向によっては、再度見直される可能性もあります。制度を利用する際は、非課税対象となる費用の範囲を正確に把握し、領収書等の管理を適切に行い、契約終了時や贈与者死亡時のリスクも考慮した上で、ご家族の状況に合わせて活用することをお勧めします。

     

    制度の利用を検討されている方は、お気軽にご相談ください。掛川総合会計事務所のスタッフが専門的な立場からアドバイスさせていただきます。

    監修 石川勝也税理士

    東海税理士会掛川支部所属/税理士登録2004年(平成16年)/税理士登録番号 99199/大学卒業後、会計事務所に入社し税理士を目指す。/税理士試験合格科目:簿記論、財務諸表論、法人税、消費税、相続税/2005年独立開業/2009年税理士法人掛川総合会計事務所を設立/2023年代表社員に就任。 

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