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相続・不動産の新制度~所有者不明
や行方不明者がいる場合の取り扱い~

相続・不動産の新制度~所有者不明や行方不明者がいる場合の取り扱い~

2023/06/19

 令和3年度の民法改正により、相続・不動産に関するルールが大きく変わりました。所有者・共有者不明の土地利用の円滑化を図る方策が打ち出されています。ここでは、新制度と変更点について詳しく説明していきます。

所有者不動産記録証明制度

 

 

▪ 相続登記の義務化

 

 「所有者不明土地問題」の解決のため、令和6年4月1日から相続登記が義務化されます。令和6年以降は相続人が相続・遺贈による不動産の取得を知ってから3年以内に登記申請することが義務付けられます。また、法改正以前に亡くなった人から相続した不動産も相続登記が義務化されるため、できるだけ早く登記を行う必要があります。

 

 

▪ 所有不動産記録証明制度

 

 所有不動産記録証明制度とは、登記官において、被相続人(亡くなった親など)が登記簿上の所有者として記録されている不動産を一覧的にリスト化し、証明する制度です。この制度は、本人か、その相続人(その他の一般承継人)に限って利用することできます。

 これは、令和8年4月までにスタートする予定です。この制度では、① 請求した本人が所有者として記録されている不動産、② 請求した人が相続人である場合には、その被相続人が所有者として記録されている不動産について、所有不動産記録証明書の交付を求めることができます。

 

 

 

 

 

住所変更と登記

 

 

 持ち主の住所の変更登記は、2年以内にしなければなりません。これも、令和8年4月までにスタートする予定です。

 

① 登記上の所有者は、住所変更した日から2年以内に住所の変更登記をすることが義務化されます。正当な理由なく義務に違反した場合は、5万円以下の過料の適用対象になります。

※登記簿上の所有者の氏名や登記簿上の所有者である会社・法人の名称や住所が変更した場合にも、同様の義務が課されます。

 

② 住所の変更登記の義務化が始まる前の住所変更についても、住所の変更登記の義務化の対象となります。この場合には、住所の変更登記の義務化がスタートしてから2年の猶予期間があります。

 

③ 住所の変更登記の義務化に合わせて、登記官が他の公的機関から登記簿上の所有者の住所の異動情報を取得する情報連携の仕組みが新設されます。

所有者は、あらかじめ法務局に生年月日などの検索用情報を届け出ることにより、登記官がその情報に基づいて所有者の異動情報を取得し、住所変更があった場合には、登記官が職権で住所の変更登記を行います。

※所有者の了解がない限り、登記官が無断で住所の変更登記をすることはありません。

 

 

 

共有の見直し

 

 

▪ 共有者の合意

 

 共有土地を変更(砂利道をアスファルト舗装にすることや建物の外壁や屋上の防水工事等)するには、必ず共有者全員の同意が必要でした。そのため、不動産の共有者に行方不明者がいる場合などは同意が得られないため、工事ができませんでした。

 

 

▪ 新制度のスタート

 

 令和5年4月1日から、法改正により以下のように変わりました。

 

① 軽微変更(形状または効用の著しい変更を伴わないもの)

持分の過半数の同意があれば変更が可能

(例:相続人が3名の場合、3分の2の持分で過半数になります)

 

② 不動産の共有者に行方不明者がいる場合

他の共有者が行方不明者の持分の時価に相当するお金を法務局に供託し、地方裁判所の決定を得れば、その持分を取得したり第三者に売ったりすることができる

※相続によって共有になった場合、相続開始から10年経てば利用可能

 

 

 

相続制度(遺産分割)の見直し

 

 

▪ 遺産分割とは

 

 遺産分割とは、相続人間で遺産を分ける手続きのことです。遺産分割では民法の「法定相続分」割合をもとに被相続人から貰った金品や被相続人に対する貢献などを考慮した「具体的相続分」割合を算出して財産を分けることができます。

 いつまでも遺産分割がされないと、大勢の共有の土地になって土地の売却などが難しくなってしまいますし、時間が経つと記憶が薄れるなどして、具体的相続分の算定ができなくなってしまうこともあります。

 

 

▪ 新制度のスタート

 

 令和5年4月1日から、法改正により以下のように変わりました。

 

 ① 遺産分割

遺産分割は相続開始から10年経過したら、具体的相続分ではなく基本的に法定相続分で一律に算定する

 

 ② 法改正前に発生した相続

新制度がスタートする前に発生した相続については、少なくとも「5年間」は具体的相続分で遺産分割ができる。

 

 

▪ 新制度のポイント

 

 相続開始から10年が経ったら、親から援助(生前贈与など)を受けたことや、逆に介護など面倒を見ていたといったことが一切配慮されないことが原則になります。具体的相続分で有利な遺産分割を受けることができる人は、早く遺産分割をしないと損してしまいます。また、相続人の中に行方不明者がいる場合は、行方不明者分は家庭裁判所で不在者財産管理人を選出してもらい、その人との間で遺産分割をすることになります。

 

 

 

 

 

おわりに

 

 法改正により今後、所有者不明土地等の利用が増えそうです。改正前と後では内容が大きく変わっていますので、注意しましょう。相続でお困りのことがありましたら掛川総合会計事務所にお気軽にご相談ください。

 

(参考 法務省:マンガで読む法改正・新制度 総合版)

 

 

 

 

 

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