税理士法人掛川総合会計事務所

一括償却資産の償却・除却の際の計算処理

お問い合わせはこちら

一括償却資産の償却・除却の際の計算処理

一括償却資産の償却・除却の際の計算処理

2025/03/24

10万円以上の資産を取得した場合、通常は減価償却資産として法定耐用年数と償却方法により減価償却費を計上します。今回は、以前に紹介した少額減価償却資産の特例との比較やメリット・デメリットについて説明していきます。

目次

    一括償却資産の計算処理:概要

     取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産は、一括償却資産として選択適用することができます。そして一括償却資産を償却する場合、法定耐用年数や償却方法に関わらず取得価額の3分の1を3年にわたって損金計上することができます。

     具体的な計算方法は、取得価額を36ヶ月(3年間)で割り、事業年度の月数(通常は12ヶ月)を掛けて計算します。通常の減価償却費の計算では、事業の用に供した日から期末までの期間を月割りで計算しますが、一括償却資産は取得した期間に係わらず取得価額の12 / 36ヶ月を損金計上することになります。

    例えば事業年度の月数が12ヶ月の法人の場合、取得価額が18万円の減価償却資産を一括償却資産として会計処理した場合の減価償却費は以下のようになります。

      18万円 × 12 / 36ヶ月 = 6万円(当期の減価償却費)

    一括償却資産の計算処理:少額減価償却資産の
    特例との違い

    一括償却資産と少額減価償却資産の特例で異なる点を以下の表に示します。

     また、少額減価償却資産の特例は令和4年度の税制改正によって適用期限が2年間延長されていますので、令和6年3月31日までの間に取得等をして事業の用に供した減価償却資産が対象となります。しかし、一括償却資産に関しては適用期限が設けられていないため恒久的な制度となっています。

    一括償却資産の計算処理:メリットとデメリット

    メリット

    ・償却資産税の申告対象とならないこと

     償却資産税とは市町村税である固定資産税の一種で土地や建物といった不動産以外の事業用の資産を対象とした税金です。10万円以上20万円未満の事業用資産については、一括償却資産として処理をすることで償却資産税の申告対象になりません。

     

     

    ・法定耐用年数より短い期間で償却ができる

     取得後3年間で取得価額の全額を早期に損金に算入することができるので、納税額を繰り延べることができます。

    デメリット

    ・一括償却資産は除却ができない

     一括償却資産は償却期間中に除却・売却をしても除却損や売却損を計上することができません。

    一括償却資産の計算処理:除却した場合の
    経理方法

    除却や売却をした場合

      例題

    ◆ 除却した場合

    前期に15万円のPCを4台購入し一括償却資産として処理しました。当期において2台のPCを除却したので以下の仕訳をした。

    前期(購入)
      一括償却資産 60万円 / 現金・預金  60万円
    前期(決算)
       減価償却費 20万円 / 一括償却資産 20万円
    当期(除却)
              仕訳なし
    当期(決算)
       減価償却費 20万円 / 一括償却資産 20万円

    デメリットでも紹介しましたが、一括償却資産は除却損に計上することができません。よって、除却した後でも3分の1ずつ減価償却費を計上するため上記の仕訳となります。

     

    ◆ 売却した場合

    それでは、売却した場合はどうなるでしょうか。

    当期において2台のPCを10万円で売却した場合の仕訳は以下のようになります。

    当期(売却)
      現金・預金 10万円 / 固定資産売却益 10万円
    当期(決算)
      減価償却費 20万円 / 一括償却資産  20万円

    こちらも売却損は計上しません。しかし、売却代金を固定資産売却益として計上することを忘れないようにしましょう。

    事業年度が1年に満たない場合

     それでは法人設立した事業年度が1年に満たない場合も取得価額の3分の1を償却できるのでしょう。

    例えば、事業年度の月数が8ヶ月の新設法人が、取得価額18万円の資産を購入した場合は次の計算になります。

      18万円 × 8 / 36ヶ月 = 4万円

     

    事業年度が8ヶ月の場合は上記のように計算します。2年目以降は事業年度が12ヶ月となりますので 12 / 36ヶ月で計算します。法人設立した事業年度や、その他の事業年度が12ヶ月でない法人は注意が必要です。

    まとめ

     10万円以上20万円未満の資産を取得した場合、会計処理の仕方は次の3つに分けることができます。通常の減価償却資産、少額減価償却資産の特例、一括償却資産、どれを選択するのかによってその期の損金が増減するので税額にも影響が出てきます。自社にとって一番有利な会計処理を選んでいきたいですね。税務会計や相続で何か困ったことがありましたら掛川総合会計事務所のスタッフが専門的な立場からアドバイスさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。

    監修 石川勝也税理士

    東海税理士会掛川支部所属/税理士登録2004年(平成16年)/税理士登録番号 99199/大学卒業後、会計事務所に入社し税理士を目指す。/税理士試験合格科目:簿記論、財務諸表論、法人税、消費税、相続税/2005年独立開業/2009年税理士法人掛川総合会計事務所を設立/2023年代表社員に就任。 

    ----------------------------------------------------------------------
    税理士法人掛川総合会計事務所
    436-0022
    静岡県掛川市上張202
    電話番号 : 0537-24-4607
     

    御前崎支店
    437-1612
    静岡県御前崎市池新田3946-8
    電話番号 : 0537-86-9788


    掛川市の税理士法人掛川総合会計事務所

    掛川市で税務会計を総合的に支援

    ----------------------------------------------------------------------

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。