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アフターコロナの相続
~新型コロナウイルス流行による相続の変化~

アフターコロナの相続~新型コロナウイルス流行による相続の変化~

2024/04/01

 新型コロナウイルスの流行から約4年が経ち、世の中は大きく変化しました。そして、それは相続においても同様で、コロナ前後で大きな変化がありました。今回はその具体的な内容について説明したいと思います。

目次

死亡後の手続き

・被相続人に関する手続き

 被相続人死亡後の基本的な流れは、新型コロナウイルス蔓延後もほとんど変化はありません。ただ、コロナ禍では「密」を避ける行動が社会全体で求められ、通夜や葬儀の執り行いにも大きな変化をもたらし、アフターコロナにもその多くが引き継がれています。

 そして手続きは、これまで役所など窓口に出向いて行うものがほとんどでしたが、郵送対応やインターネットでの申請に変わってきました。具体的には、これまで窓口に行き申請、書類を発行・受理してもらうという流れだったものが、インターネットで請求書をダウンロードし記入項目を埋めて郵送、受理されると必要書類が返送されたり手続きが完了するという流れです。

・具体的な変化

 下記に場面別の変化をまとめました。それぞれの場面について説明します。

 申請書は役所のホームページからダウンロードが可能です。印鑑証明書だけは郵送で請求ができませんが、マイナンバーカードがあればコンビニでの発行が可能です。

     最寄りの年金事務所、または「ねんきんダイヤル」に電話をして書類を送ってもらう。

原則、故人の死後3ヶ月以内に故人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てる。期日が足りない場合は申し立てをする。

         「災害による申請、納付等の期限延長申請書」を提出することで延長可能

 Zoomや電話でのやりとりが一般化。この場合、取りまとめる人を決めておくとスムーズに進行できる。

ただし、貸金庫の手数料引き落とし口座や融資取引の返済用口座の場合は対応不可の場合もあるので、事前に確認が必要です。

      郵送やオンラインの申請も可能ですが、都合の良いタイミングを計ることが普通に。

コロナに限らず特別の事情がある場合、期限延長申請書を提出することができることもありますが、各担当窓口にてご確認ください。

期限延長申請タイトル

 新型コロナウイルスを理由に、申請期日を超えても申請が受理されるものもあります。代表的なものが、準確定申告です。通常、被相続人の死後4ヶ月以内に申請が必要ですが、「災害による申請、納付等の期限延長申請書」を提出することで、この期限にとらわれず申請が可能になります。また、申請が認められるかどうかは各窓口にてご確認ください。

 同様に、新型コロナウイルスを理由に申請を延期できたものに相続税の申告もありましたが、新型コロナウイルスの5類移行などにより特別措置自体は終了しました。ただし、申告期限の延長をする制度はあります。相続税の申告は通常被相続人の死後10ヶ月以内となっていますが、間に合わないことがあるかもしれませんが、特別な場合以外には期限延長は認められていません。 

相続した不動産の売却

 新型コロナウイルスは、不動産市場にも多大な影響を及ぼしました。コロナ前はインバウンド需要の高まりもあり地価は高騰していましたが、コロナ後は企業活動の停滞・景気の悪化などにより土地の市場価格が下落し、相続にも影響が出ました。土地の市場価格下落による相続への影響は、主に二つあります。

① 相続税の相対的な負担増

 相続により取得した家や土地などの不動産の相続税評価額は、建物であれば「固定資産税評価額」、土地であれば主に「路線価」によって決められます。路線価は国税庁が毎年7月に発表しており、その価格は同年の3月に国土交通省によって公表される公示地価の約80%が目途となっています。問題となるのは、この公示地価が基準にしているのが1月1日時点の市場価格だということです。新型コロナウイルスが流行した年に関しては、3月に公表された公示地価はコロナによる景気減速を織り込んでおらず、その価格を反映して7月に発表される路線価も相場に合わない可能性が高い路線価と、実際の市場価格が離れ、実態に合わない割高な相続税を課されてしまう場合には、補正率が発表される場合があります。

② 納税資金の工面

 相続した土地を売りたくても足元で売却価格の下落が起きていると、思い通りの金額で売れる可能性は低くなりなります。また、そのような状況下で売れない土地は相続したくないと相続放棄する人が出るかもしれません。相続税の納付は相続発生日から原則10カ月以内に行う必要がありますので、その期間で土地を売ることを考えると納税資金の確保に頭を悩ますことになります。

 

おわりに

 新型コロナウイルス流行により相続の環境は一変しました。社会全体の変化に加え、様々な相続関連の法改正もありますので、より一層注意が必要です。相続はいつ起こるかわからないので、早めに対策しましょう。

       参考:三浦美樹 監修.家族が亡くなった後の手続きガイド. 宝島社, 2023, 112p

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