予定納税・中間申告の計算方法について解説!
2025/02/10
所得税や消費税、法人税は所得に応じて税金が変動しますが、今期赤字だとしても税金を納めなければいけないケースがあります。それは、前期に確定した税金の金額が多額な場合です。
今回は、前期に確定した税金が多額な場合に必要な中間申告について、計算方法や中間申告が必要になる要件などを解説していきます。
目次
予定納税とは
予定納税は、前年度(または前事業年度)の税額が一定金額を超えた個人・法人を対象にその年の税金の一部をあらかじめ納付する制度です。納税者の立場から見ると、1年分の納税額を分割して支払うことができ、資金繰りの負担を軽減することが可能となります。
このように法人税・消費税・所得税について、あらかじめ税額の一部を納付する中間申告という制度が設けられています。
法人税の中間申告の計算方法
中間申告の対象となるのは、前事業年度の法人税額が20万円を超える場合です。原則として、設立1年目の新設法人(合併した法人を除く)やNPO法人は対象となりません。法人税の中間申告の納付期限は、事業年度開始の日以後6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内と定められています。中間申告は①前年度実績による方法、②仮決算による方法、の2つの方法があります。
前年度実績による方法は、下記の計算式で中間納付額を計算します。
前事業年度の法人税額 ÷ 前事業年度の月数 × 6 = 中間納付税額
仮決算による方法は、事業年度開始の日以後6ヶ月を一事業年度とみなして、この期間における算出された所得金額を基に中間納付額を計算します。そのため、前事業年度と比較して業績が悪化し利益が減少している場合には、中間納付額を減額することが可能となります。ただし、申告の際に貸借対照表、損益計算書や勘定科目内訳明細書等の添付が必要となり、事務手続きが煩雑になります。
消費税の計算方法
中間申告の対象となるのは、個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度の消費税の年税額(地方消費税額を除く)が48万円を超える場合です。消費税は直前の課税期間の確定消費税額に応じて中間申告の回数が異なります。
消費税の中間申告にもそれぞれ納付期限が定められています。原則は、各中間申告の対象となる課税期間の末尾の翌月から2ヶ月以内となります。
また、上記に代えて仮決算に基づいて申告・納付する方法も認められています。この場合は、中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算を行い、納付すべき消費税額を計算します。前年と比べ、売上が減少した場合や設備投資をした場合などは、中間納付税額を抑えられる可能性があります。ただし、計算した税額がマイナスとなっても還付を受けることはできません。
さらに、消費税には任意の中間申告制度も設けられています。この制度は、中間申告義務のない事業者でも、届出を提出することにより自主的に中間申告・納付をすることできます。任意の中間申告制度を適用した場合の納付税額は、① 直前の課税期間の確定消費税額の6/12となります。
所得税の予定納税の計算方法
予定納税の対象となるのは、前年の所得税が15万円以上となる方です。
一時に税金を納付する場合の負担感を緩和することや、国の歳入を平準化する目的から、前年の所得税及び復興特別所得税の一部をあらかじめ納付する制度です。
翌年の確定申告において、計算された1年分の所得税から予定納税額を差し引き、過不足分を精算することとなります。
・予定納税時
前年分の申告納税額 × 1/3 = 予定納税額
・確定申告時
申告納税額 - 今年の予定納税額(2期分) = 過不足所得税
予定納税は二回に分けて納付することになり、第1期は7/1~9/30まで、第2期は11/1~11/30までに納付しなければなりません。
予定納税・中間申告の際の注意点
たとえ仮決算で算出された納税額0円であったとしても、仮決算に関する申告書類の提出は必要となるため、期限までに提出するよう注意が必要です。仮に期限までに提出しなかった場合には、前期実績による中間申告書の提出があったものとみなされ、前期納税実績による中間納付額を納税しなければならなくなってしまいます。
また、予定納税・中間申告どちらの場合でも、納付すべき税額が期限までに納付されない場合は、本税と合わせて延滞税が課せられてしまいます。延滞税は納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは、年「7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合、納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後は、年「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合が適用されます。
最後に
今期に利益があるかどうかにかかわらず、前期に確定した税金の金額に応じて中間申告の金額が決まります。うっかり納付を忘れてしまうことのないよう、納税義務のある方は、事前に納税金額と納付時期を確認し、納税資金の準備をしておきましょう。
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