税理士法人掛川総合会計事務所

消費税の非課税売上と仕入税額控除

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消費税の非課税売上と仕入税額控除

消費税の非課税売上と仕入税額控除

2024/06/10

 土地、住宅、医療、介護、教育、などの分野の販売やサービスの中には、その取引の性質や社会政策的配慮から消費税が非課税とされているものがあります。消費税が非課税といっても、その対価の中には事業者が負担した消費税が含まれています。今回は、非課税売上に対応する課税仕入の取り扱いについて考えてみます。

目次

     消費税の我が国での位置づけ

     我が国の消費税は、事業者が商品やサービスの対価に消費税相当分を転嫁して領収し、その金額から事業者が仕入等に係る支出につき支払った消費税を控除することによって申告納税がされる仕組みになっています。消費税は、生産者、卸売業者、小売業者を通して、最終的には消費者が負担することが予定されている税で、日本の消費税に相当する諸外国の*付加価値税も同様の仕組みが採用されています。この仕組みを前段階控除方式といい、その控除手続を仕入税額控除といいます。商品やサービスのエンドユーザーである消費者は仕入税額控除が認められていないため、最終的に商品やサービスに転嫁された消費税を負担することになります。消費税の最終的な負担者として予定されているのは消費者ですが、消費税の納税義務は事業者に課されており、負担者と納税義務者が異なり、このような税を一般間接税といいます。

     

    *付加価値税とは、売上から費用を控除した付加価値に対し課税がされる仕組みの間接税で、日本の消費税は付加価値税の一種とされています。

     

    消費税の非課税売上

     さて、消費者には仕入税額控除が認められないため消費者が消費税の負担者になると書きましたが、事業者にとっても仕入税額控除が認められない場合があります。

     

     それは、消費税が課税されない収入(非課税売上)に要する課税仕入の場合です。

     

     非課税売上は消費税法に限定列挙されていて、土地、住宅、医療、介護、教育などに関する販売やサービスによる対価です。これらは、その取引の性質や社会政策配慮から消費税を課税することになじまないとして非課税とされています。例えば医療について見ると、医療機関の売上である社会保険診療は消費税が非課税です。一方医療機関が仕入れる高額な機材や医薬品には消費税は課税されていて、医療機関ではこれらの課税仕入に係る消費税の仕入税額控除が出来ません。皆さんも医療機関を受診したときにその領収書に次のような文言が記載されていることに気づいたことがあるでしょう。

     

    「厚生労働省が定める診療報酬や薬価等には、医療機関等が仕入時に負担する消費税が反映されています」

     

     このように、診療報酬は非課税売上であるが、医療機関も仕入時に消費税を負担している旨をアピールしています。もちろん医療機関が負担した仕入等に係る消費税は診療報酬に考慮されていますが、今後も税率改正の度に仕入税額分を診療報酬へ転嫁するという煩雑な作業が続くため、診療報酬の取り扱いについて抜本的な改革を求める意見もあります。このように、本来は消費者が負担することが予定されている消費税ですが、非課税売上の場合には売上に転嫁できなかった仕入等に係る消費税がある場合は、その消費税は事業者が負担していることになります。

     さて、消費者には仕入税額控除が認められないため消費者が消費税の負担者になると書きましたが、事業者にとっても仕入税額控除が認められない場合があります。

     

     それは、消費税が課税されない収入(非課税売上)に要する課税仕入の場合です。

     

     非課税売上は消費税法に限定列挙されていて、土地、住宅、医療、介護、教育などに関する販売やサービスによる対価です。これらは、その取引の性質や社会政策配慮から消費税を課税することになじまないとして非課税とされています。例えば医療について見ると、医療機関の売上である社会保険診療は消費税が非課税です。一方医療機関が仕入れる高額な機材や医薬品には消費税は課税されていて、医療機関ではこれらの課税仕入に係る消費税の仕入税額控除が出来ません。皆さんも医療機関を受診したときにその領収書に次のような文言が記載されていることに気づいたことがあるでしょう。

     

    「厚生労働省が定める診療報酬や薬価等には、医療機関等が仕入時に負担する消費税が反映されています」

     

     このように、診療報酬は非課税売上であるが、医療機関も仕入時に消費税を負担している旨をアピールしています。もちろん医療機関が負担した仕入等に係る消費税は診療報酬に考慮されていますが、今後も税率改正の度に仕入税額分を診療報酬へ転嫁するという煩雑な作業が続くため、診療報酬の取り扱いについて抜本的な改革を求める意見もあります。このように、本来は消費者が負担することが予定されている消費税ですが、非課税売上の場合には売上に転嫁できなかった仕入等に係る消費税がある場合は、その消費税は事業者が負担していることになります。

    消費税の非課税売上のみに要する課税仕入

     非課税売上に要する課税仕入はなぜ仕入税額控除できないのでしょうか? それは、仕入税額控除の仕組みが、生産者⇒卸売業者⇒小売業者⇒消費者 と続く消費税の累積控除のための制度であるため、消費税の納税がない非課税売上に対しては税の累積を排除する必要がないという考え方(負担無きもの控除なし)が主流ですが、非課税売上に対して仕入税額控除を認めてしまうと、業界団体や政治家からの圧力が増すためそれを懸念して仕入税額控除を認めないという学説もあります。また現実的には、非課税に対する仕入税額控除を認めることにより還付税額が多額になり国家財政に悪影響を与えるというのが至近的な理由と考えられます。

     さて、非課税という制度があるために、仕入税額控除の計算において、様々な論点が生じています。事業者の売上の全てが課税売上、又は非課税売上のいずれかであれば、仕入税額控除は全額控除、または全額非控除のいずれかで計算はシンプルですが、1事業者の売上が課税売上と非課税売上の両方が存在する場合の仕入税額控除の計算は多くの考慮すべき点があります。

     

    参照:望月繭「消費税はシンプルな税制?」三木義一編『よくわかる税法入門 第17版』P266-267 有斐閣、2014

    消費税の課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入の取り扱い

     売上の中に課税売上と非課税売上が混在する事業者の場合、*原則的に仕入税額控除は、個別対応方式または一括比例配分方式のいずれかにより非課税売上に対応する仕入税額を控除対象外とする計算をします。個別対応方式については、仕入に係る消費税を、課税売上にのみ要する課税仕入、非課税売上にのみ要する課税仕入、課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入に用途区分し、共通仕入に係る消費税に課税売上割合を乗ずることで控除対象仕入税額を計算します。その用途区分については、仕入時に判定することを原則としつつも、課税期間末に判定する方が合理的とする意見もあり、また、共通仕入に対する仕入税額について合理的な基準により按分することが出来ることや、課税売上割合に準ずる割合の使用など、その取り扱いについては留意すべき事項が非常に多くあり、これらについては回を改めて解説しようと思います。

     

    *課税売上高が5億円以下でありかつ課税売上割合が95%以上である場合には仕入税額の全額が控除できる特例や、小規模な事業者対象の簡易課税制度などの特例があります。

    消費税の非課税売上のまとめ

     仕入税額控除により課税の累積を排除することは、いわば消費税が付加価値税であるための生命線であり、適正な仕入税額控除ができてこそ、消費者が消費税を負担するという消費税の趣旨が達成できます。掛川総合会計事務所では、消費税の仕入税額控除について、インボイスの保存などの法令に基づいた適正な手続きをご指導するとともに、常にご相談に乗りつつ申告を行ってまいります。

    監修 石川勝也

    税理士東海税理士会掛川支部所属/税理士登録2004年(平成16年)/税理士登録番号 99199/大学卒業後、会計事務所に入社し税理士を目指す。/税理士試験合格科目:簿記論、財務諸表論、法人税、消費税、相続税/2005年独立開業/2009年税理士法人掛川総合会計事務所を設立/2023年代表社員に就任。 

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