税理士法人掛川総合会計事務所

事業年度中の本店移転~スムーズな取扱いのための重要なポイント

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事業年度中の本店移転
スムーズな取扱いのための重要なポイント

事業年度中の本店移転~スムーズな取扱いのための重要なポイント

2024/07/08

 事業年度中に本店移転を計画している企業にとって、スムーズな取扱いは極めて重要です。会社設立時に様々な手続きが必要になりますが、本店移転の際も同様に多くの手続きが必要になります。今回は、事業年度内に本店を移転させるための必要な書類や手続き、税金の計算等について解説します。事業運営の中での移転の影響を最小限に抑え、円滑な移転のための実践的なアドバイスをお届けします。

目次

    事業年度中の本店移転に伴う届出書の提出

    税務署への提出

     提出書類:異動届出書、給与支払事務所等の移転届出書

     提出先 :異動前の税務署

         (平成29年4月1日以後に移転した場合は、異動前の税務署へ提出するだけでよく、異動後の税務署への提出は不要になりました)

     提出期限:異動後速やかに

         (特に期限は設けられていませんが速やかに提出しましょう)

     添付書類:必要なし

         (法定の添付書類はありませんが、異動事項の内容確認のため定款等の写しの提出を求められる場合があります)

     

    本店を移転した場合、2週間以内に法務局で変更登記申請を行う必要があります。法務局で変更登記が完了したら、速やかに上記書類を提出します。

     消費税に関する異動届は、異動届出書表題「(□法人税 □消費税)」の□消費税にレ印を付すことで、重ねて法人の消費税異動届出書(令和5年1月1日以後異動用)または消費税異動届出書(令和4年12月31日以前異動用)の提出が不要になります。

     

    ・都道府税事務所、市区町村への提出

     提出書類:異動届

     提出先 :異動前、異動後どちらも

         (移転により管轄県税事務所及び市区町村が変わる場合、異動前と異動後の両方に提出する必要があります)

     提出期限:管轄県税事務所により異なる

     添付書類:異動前 → 履歴事項全部証明書

          異動後 → 履歴事項全部証明書及び定款

         (概ね上記書類の添付が必要になりますが、会社を管轄する税事務所と市役所で詳細を確かめるようにしましょう)

     

    異動届の書式・提出期限は都道府県税事務所、市区町村によって異なります。書式に関してはホームページからダウンロードできるようになっているところもあります。定款は、必ず新しい定款を添付するよう注意が必要です。

    事業年度中の本店移転に伴う申告書の提出

    ・国税(法人税・消費税)

    提出先:異動後の管轄税務署

     納付先:異動後の管轄税務署

     

     申告書は、移転後の新住所の管轄税務署に提出し、税金も提出先と同様の管轄税務署に納めます。

     

    ・地方税

     提出先:異動前、異動後それぞれの管轄県税事務所・市区町村

     納付先:異動前、異動後それぞれの管轄県税事務所・市区町村

     

     例えば、12月決算の法人が令和6年6月に愛知県A市から静岡県B市に移転した場合

     令和6年12月期の申告書の提出先は、下記のようになります。

     国税 :静岡県B市の管轄税務署

     地方税:愛知県A市の管轄県税事務所、愛知県A市

         静岡県B市の管轄県税事務所、静岡県B市

    事業年度中の本店移転に伴う分割基準

     期中に法人の登記住所が県を跨いで移転する場合は異動前と異動後に分割して税金を納める必要があります。この分け方を「分割基準」と言います。

     

    ・事業所等の数

     事業所等とは、自己所有かどうかに関わらず事業ために継続して人的・物的設備が設けられ事業が行われる場所のことを言います。継続してとある通り、2~3ヶ月程度の一時利用の場所は事業所として数えません。

     

    ・従業者数

    従業者とは、俸給、給料、賃金、手当、賞与などの給与の支払を受けるべき者を言います。

    この従業者には、経営者やその親族・非常勤役員など実際には給与の支払いを受けていない場合であっても、従業者に含まれます。

    そしてその数は、事業年度末日の従業者の人数によって算定しますが、事業年度の途中に事務所等を新設または廃止した場合には、その事務所等の存在した月数で按分することになります。

     

    ・地方税の計算

     例えば、12月決算の法人が令和6年6月15日に愛知県A市から静岡県B市に移転した場合(5月末の従業者数10人、12月末の従業者数11人と仮定)、令和6年12月期の地方税の計算は下記のようになります。

     

     均等割の月数(ひと月に満たない端数は切り捨て)

      ★A市:1月1日から6月15日  → 5ヶ月

      ★B市:6月16日から12月31日 → 6ヶ月

     

     法人税割の分割基準となる従業者数(ひと月に満たない端数は切り上げ)

      ★A市:転出日の前月末の人数×所在していた月数÷12

          10人×6月÷12=5人

          5人

      ★B市:期末の人数×所在していた月数÷12

    11人×7月÷12=6.14人

    1人未満は1人とするので、7人

    おわりに

     法人が本店を移転した場合の手続きは、異動届出書以外にも多岐に渡ります。例えば、年金事務所や労働基準監督署、ハローワーク等への届出などです。どの手続きも速やかな対応が必要とされ、漏れがないよう注意しなければなりません。

    掛川総合会計事務所では、スタッフが専門的立場から必要な手続きをワンストップで対応させていただいております。移転プロセスでのさらなるサポートやご質問があれば、いつでもお気軽にご連絡ください。

    監修 石川勝也税理士

    東海税理士会掛川支部所属/税理士登録2004年(平成16年)/税理士登録番号 99199/大学卒業後、会計事務所に入社し税理士を目指す。/税理士試験合格科目:簿記論、財務諸表論、法人税、消費税、相続税/2005年独立開業/2009年税理士法人掛川総合会計事務所を設立/2023年代表社員に就任。 

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