確定申告時における寄附金控除:税金を節約しながら社会貢献を
2024/05/07
寄附金控除は、税金を節約しながら社会貢献をする制度となります。寄附することで地域社会や社会全体に貢献しながら自身の税金負担を軽減できる仕組みとなっております。今回は寄附金控除の仕組みや、申告のポイントについて説明してきます。
目次
確定申告時の寄附金の処理について
国や地方公共団体、特定法人などに寄附をした場合は確定申告を行うことで、所得税及び復興特別所得税が還付される場合があります。寄附金の内容によっては所得から控除される「寄附金控除」が適用されるものや税額から控除できる「寄附金特別控除」があります。
政治活動に関する寄附金のうち政党若しくは政治資金団体に対する寄附金または個人が支出した認定NPO法人等若しくは公益社団法人等に対する寄附金については有利な方を選ぶことができます。また、個人住民税における寄附金税額控除もありますのでそれぞれ説明していきます。
寄附金特別控除の計算方法
寄附金特別控除は税額控除となり以下の場合によって次の算式で計算します。
ⅰ政党等寄附金特別控除
(その年中に支出した政党等に対する寄附金の額の合計額-2千円)×30%=(政党等寄附金特別控除額)※100円未満の端数切捨て
ⅱ認定NPO法人等寄附金特別控除
(その年中に支出した認定NPO法人等に対する寄附金の額の合計額-2千円)×40%=(認定NPO法人等寄附金特別控除額)※100円未満の端数切捨て
ⅲ公益社団法人等寄附金特別控除
(その年中に支出した公益社団法人等に対する寄附金(一定の要件を満たすもの)の額の合計額-2千円)×40%=(公益社団法人等寄附金控除額)※100円未満の端数切捨て
注)ⅰ~ⅲの寄附金の額の合計額は原則として所得金額の40%相当が限度額となります。
注)ⅰの特別控除額はその年分の所得税額の25%相当額が限度です。
注)ⅱⅲの特別控除額の合計額はその年分の所得税額の25%相当額が限度です。
注)上記の算式中の2千円は、寄附金控除と寄附金特別控除(税額控除)とを合わせた金額です。
寄附金控除を受けるための手続きに必要な書類
・寄附金控除又は寄附金特別控除(税額控除)に関する事項を記載した確定申告書を提出する必要があります。
・政治活動に関する寄附金については、選挙管理委員会等の確認印のある「寄附金控除のための書類」を申告書に添付する必要があります。
・一定の特定公益増進法人に対する寄附や特定公益信託の信託財産とするための支出については、その法人や信託が適格であることなどの証明書の写し又は認定書の写しを申告書に添付するか、申告書提出の際に提示する必要があります。
・その他の寄附金については寄附した団体等から交付された寄附金受領証明書又はQRコード付控除証明書等を申告書に添付するか、申告書提出の際に提示する必要があります。
・寄附した団体等から寄附金受領証明書の電子データの交付を受けた方は、確定申告の際に、当該データを申告書に添付し、電子的に提出・送信することができます。
・ふるさと納税された方は、国税庁が指定した特定事業者が発行する「寄附金控除に関する証明書」や地方公共団体が発行する「寄附金受領証明書」の電子データを、マイナポータル連携により一括取得し、申告書に自動入力することができます。
特定寄附金とは:種類と内容
1国又は地方公共団体に対する寄附金
※学校の入学に関して寄附するものは除きます。次の2及び3においても同じです。
2指定寄附金
公益社団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金で、広く一般に募集され、かつ公益性及び緊急性が高いものとして、財務大臣が指定したもの
3特定公益増進法人に対する寄附金
公益法人等のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものと認められた特定公益増進法人に対する寄附金で、その法人の主たる目的である業務に関連するもの
4特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭
主務大臣の証明を受けた特定公益信託のうち、その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉へのその貢献その他公益の増進に著しく寄与すると認められる一定の公益信託の信託財産とするために支出した金銭
5認定NPO法人等に対する寄附金
特定非営利活動法人のうち一定の要件を満たすものとして認められるものなど(認定NPO法人等)に対する寄附金で、特定非営利活動に係る事業に関連するもの
6政治活動に関する寄附金
個人が支出した次の団体等に対する政治活動に関する寄附金のうち、一定の要件に該当するもの
・政党(支部を含みます。)
・政治資金団体
・その他の政治団体で一定のもの
・一定の公職の候補者
7特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額など
※個人住民税における寄附金税額控除について
都道府県・市区町村や住所地の都道府県共同募金会・日本赤十字社支部に対する寄附金、住所地の都道府県・市区町村が条例で指定した寄附金を支出した場合は、住民税(翌年度)において寄附金税額控除を受けることができます。この寄附金税額控除を受けるには、原則として所得税及び復興所得税の確定申告又は住所地の市区町村に住民税の申告を行っていただく必要があります。
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