税理士法人掛川総合会計事務所

所得税の「平均課税」とは?一時的に収入が増えた方の税負担を軽減する制度

お問い合わせはこちら

所得税の「平均課税」とは?
一時的に収入が増えた方の
税負担を軽減する制度

所得税の「平均課税」とは?一時的に収入が増えた方の税負担を軽減する制度

2026/07/21

 所得税は、所得が多くなるほど税率も高くなる「超過累進税率」が採用されています。そのため、通常は毎年ほぼ同じ収入の方でも、ある年だけまとまった収入が入ると、その年の所得税が大幅に増えてしまうことがあります。

 例えば、小説や音楽の印税を一括で受け取った場合や、長年かけて制作した作品の原稿料をまとめて受け取った場合などは、実際には数年かけて得た成果であるにもかかわらず、受け取った年の所得として課税されます。

 こうしたケースで税負担が過度に重くならないよう設けられているのが「平均課税制度」です。

 今回は、平均課税制度の概要や対象となる所得、利用する際の注意点について解説します。

目次

    平均課税制度とは?

     平均課税制度とは、一定の所得について、その年だけ所得が大きく増えた場合に、一定の方法により税額を計算することで、累進課税による税負担を緩和する制度です。

     実際に所得を分割して申告するわけではありませんが、所得が一時的に集中したことによる税負担の増加を抑える効果があります。

     この制度は毎年利用できるものではなく、一定の条件を満たした場合にのみ適用されます。

    なぜ平均課税制度があるのか

     所得税は公平な課税を目的として累進税率が採用されていますが、一時的に大きな所得が発生した場合には、実態以上に重い税負担となることがあります。

     例えば、5年間かけて執筆した書籍の印税を出版時に一括で受け取るケースでは、本来は5年間の成果であるにもかかわらず、1年分の所得として扱われます。

     その結果、高い税率が適用されることで、税負担が著しく増える可能性があります。

    平均課税制度は、このような不公平を是正するために設けられています。

    対象となる所得

    平均課税制度の対象となる所得は限定されています。

     

    主な対象所得は次のとおりです。

    ・作家や漫画家などの原稿料

    ・作曲家や音楽家の著作権使用料

    ・印税

    ・漁業・養殖業に係る一定の変動所得

    ・その他、所得税法で定められた変動所得や臨時所得

     

    一方で、会社員の給与所得や事業所得、不動産所得などは原則として対象外です。

     また、退職所得については別の税額計算方法が設けられているため、平均課税制度の対象にはなりません。

    適用を受けるための主な条件

     平均課税制度を利用するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。

     代表的な要件としては、対象となる所得が「変動所得」または「臨時所得」に該当すること、そしてその所得が一定額以上であることなどが挙げられます。

     さらに、その年の対象所得が、過去2年間の対象所得の平均額と比較して一定以上増加していることも条件となります。

     制度の適用可否は所得の内容や金額によって判断されるため、「一時的に収入が増えたから必ず利用できる」というわけではありません。

    平均課税を利用するメリット

     最大のメリットは、所得税を軽減できる可能性があることです。

     例えば、通常は10%の税率が適用されている方が、印税などを受け取った年だけ課税所得が大きく増え、33%や40%の税率が適用されるケースでは、平均課税制度によって累進課税による税負担を軽減できる場合があります。

     結果として、納税額を大幅に抑えられる可能性があります。

     また、適正な税負担となることで、事業や創作活動に必要な資金を確保しやすくなるというメリットもあります。

    利用する際の注意点

     平均課税制度は、自動的に適用される制度ではありません。

     確定申告において、平均課税の適用を受ける旨を記載し、必要な書類を添付する必要があります。

     また、制度の適用には細かな判定基準があり、所得区分を誤ると適用できない場合もあります。

     さらに、平均課税による税額計算は通常の所得税計算よりも複雑であるため、自分で判断するのが難しいケースも少なくありません。

     対象となる所得がある場合には、確定申告を行う前に税理士へ相談することをおすすめします。

    まとめ

     平均課税制度は、一時的に多額の所得を得た方の税負担を緩和するための重要な制度です。

     特に、原稿料や印税、著作権使用料、漁業・養殖業に係る一定の変動所得など、長期間の成果が一度に収入となる場合には、大きな節税効果が期待できることがあります。

     一方で、対象となる所得や適用要件は細かく定められており、すべての高額所得が対象となるわけではありません。

     「今年だけまとまった収入があった」「印税や原稿料を受け取った」という方は、平均課税制度を利用できる可能性があります。この制度を正しく活用することで、本来よりも過大な税負担を避けられる場合がありますので、該当する可能性がある方は、一度税理士へ相談し、制度の適用可否を確認してみることをおすすめします。

    監修 石川勝也税理士

    東海税理士会掛川支部所属/税理士登録2004年(平成16年)/税理士登録番号 99199/大学卒業後、会計事務所に入社し税理士を目指す。/税理士試験合格科目:簿記論、財務諸表論、法人税、消費税、相続税/2005年独立開業/2009年税理士法人掛川総合会計事務所を設立/2023年代表社員に就任。 

    ----------------------------------------------------------------------
    税理士法人掛川総合会計事務所
    436-0022
    静岡県掛川市上張202
    電話番号 : 0537-24-4607
     

    御前崎支店
    437-1612
    静岡県御前崎市池新田3946-8
    電話番号 : 0537-86-9788


    掛川市で税務会計を総合的に支援

    ----------------------------------------------------------------------

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。