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消費税免税事業者からの課税仕入れの経過措置の控除割合が変わります

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消費税免税事業者からの課税仕入れの
経過措置の控除割合が変わります

消費税免税事業者からの課税仕入れの経過措置の控除割合が変わります

2026/10/13

 令和8年10月に、インボイス制度の下での免税事業者からの課税仕入れの経過措置による仕入税額控除割合の引き下げが実施されました。具体的には、令和8年10月1日前後、免税事業者からの課税仕入れの控除割合が今迄の8割から7割へ減額されています。

 この記事では、実務で多く取り扱う免税事業者からの課税仕入れとして、建物の賃借料(貸主の場合は賃貸料)を取り上げます。建物の賃貸借は、契約内容によって控除割合が異なる場合があるため、税務処理には注意が必要です。

目次

    課税仕入れの時期で控除割合を判断

     免税事業者等からの課税仕入れに係るインボイスの経過措置で適用する控除割合は、課税仕入れの時期で判定します。令和8年9月30日以前の課税仕入れについては、控除割合は8割を適用し、同年10月1日以後の課税仕入れに適用する控除割合は7割となりますが、ここで問題となるのは、課税仕入れの時期とはいつを言うのかという点です。

    家賃が後払いの場合

     家賃の支払いが後払いの場合、建物の家賃に係る仕入税額控除については、賃貸借契約等により規定された家賃の支払を受けるべき日が、資産の譲渡等の時期となり、支払う側にとっては課税仕入れの時期となります( 消基通9-1-20 、 11-3-1 )。

     このため、例えば令和8年9月分の賃料を令和8年9月30日に支払うような契約の場合は、その支払った日である令和8年9月30日が課税仕入れの時期となり、その賃料に適用する経過措置の控除割合は8割になります。一方、現実には少ないと思われますが、令和8年9月分の賃料を10月1日以後に支払う後払い契約の場合は、9月分の家賃であっても経過措置の控除割合は7割となります。

    家賃が前払いの場合

     一方、一般的には建物の家賃は翌月分の家賃を前月に支払う前払いの場合が多いと思われます。前払いにおける課税仕入れの時期は実際に不動産の賃借が行われた時とされます(基通9-1-20 、 9-1-27 、 11-3-1 )。

     このため、例えば、令和8年10月分の家賃を同年9月30日に支払う前払いの契約の場合、その課税仕入れの時期は、実際に賃借が行われる同年10月となることから、控除割合は7割となります。

    10月1日をまたぐ前払いの場合

     家賃に係る契約書で毎月の家賃の計算期間が毎月16日から翌月15日までとなっているようなケースを想定します。例えば、9月16日から10月15日までの1か月分の賃料を9月15日に前払いする場合は、実際に不動産の賃借が行われた時期に応じて、9月16日から30日までに係る賃料分の控除割合は8割を適用し、10月1日から15日までの賃料分には7割を適用する日割計算を行います。

     また、このような取引は、毎月15日締めとする1か月の計算期間が一の取引単位と考えることもでき、その取引単位ごとに判断することも可能になります。つまり、前述の例でいえば、一の取引単位が完了した日である10月15日における控除割合(7割)を全体に適用することも認められます。

    法人税法に規定する短期前払費用に該当する場合

     家賃について、法人税法に規定する短期前払費用の取扱い( 法基通2-2-14 )の適用を受ける場合は、支払った額に相当する金額を支払った日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。この取扱いの適用を受けている場合は、消費税の課税仕入れにおいても同様に、その支出した日の属する課税期間の課税仕入れとなります( 消基通11-3-8 )。

     例えば、9月決算法人が、令和8年8月31日に令和8年9月から令和9年8月までの1年間分の賃料を前払いして短期前払費用の適用を受ける場合、経過措置の控除割合は、その支払額の全額に8割を適用することになります。

    敷金・保証金の場合

     建物の賃借では、家賃のほかに敷金や保証金などが生じることがあります。賃貸借契約の期間終了に伴い借主に返還される金額が生じることがある敷金や保証金は、返還されないこととなる部分の金額について、その返還されないことが確定した時が課税仕入れの時期とされます( 消基通9-1-23 、 11-3-1 )。

     例えば、令和8年9月に賃貸借契約を締結し、その契約締結時に返還されないことが確定している敷金や保証金の金額は、9月が課税仕入れの時期となるため、控除割合は8割となります。一方、10月以後に返還されないことが確定した敷金や保証金の金額については、10月以後が課税仕入れの時期となるため、その金額に適用される控除割合は7割となります。

    将来の控除割合の推移

     免税事業者からの課税仕入に係る控除割合は、令和10年10月1日以後は控除割合が5割に、令和12年10月1日以後は3割と段階的に縮小し、令和13年10月1日以後は控除できなくなります。不動産オーナーの方や事業所の賃借をしている方の申告は掛川総合会計事務所にご相談ください。

    まとめ

    課税仕入れの時期(=控除割合の判定時期=後払いの場合は契約等に基づく賃料の支払いの時期、前払いの場合は実際の賃借の時期。消基通9-1-20 、9-1-27 、11-3-1)

    ・令和8年9月30日までの課税仕入れは8割

    ・令和8年10月1日以後の課税仕入れは7割

    ・令和10年10月1日から5割

    ・令和12年10月1日から3割

    ・令和13年10月1日以降はゼロ

    敷金・保証金

    ・返還されないことが確定した時期( 消基通9-1-23 、11-3-1 )

    監修 石川勝也税理士

    東海税理士会掛川支部所属/税理士登録2004年(平成16年)/税理士登録番号 99199/大学卒業後、会計事務所に入社し税理士を目指す。/税理士試験合格科目:簿記論、財務諸表論、法人税、消費税、相続税/2005年独立開業/2009年税理士法人掛川総合会計事務所を設立/2023年代表社員に就任。 

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